新聞記事(1999年) ポケモンファンサイト ポケサテ!

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米でも「ピカチュウ大好き」
ポケモン放送 ゲームやおもちゃヒット
1999/2/16 日本経済新聞 夕刊

 米国でポケットモンスター(ポケモン)人気が高まっている。98年9月にテレビ放送が始まったのをきっかけに、ビデオゲーム、がん具などに広がり、年末までの3ヵ月の関連商品の売り上げは1億ドルに。最近ではパワーレンジャー、たまごっちに続く日本発のヒット商品になっている。
 ポケモンテレビ番組の現在の視聴率は平均2.6%。米国での子供向けの番組の視聴率としては1位で、この分野の平均1%台を大きく上回っている。  2月上旬にニューヨーク市内で開催された「国際がん具フェア」では、雑貨用品大手、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストのポケモン関連カードの展示が人気を呼んだ。一番の人気は日本と同じで「ピカチュウ」(同社広報)。1月の発売後約1ヵ月半で、50万セットが売れた。
 ポケモンプームを見込んで、がん具大手、ハスブロはピカチュウのぬいぐるみ、スタンプなど新商品を今年夏にも発売。ポケモン関遵のビデオゲームを98年に130万本売った任天堂アメリカも今年上半期に新ソフトを2つ発売する。同社はビデオゲーム製造のほか、米国内のライセンス管理を担当しているが、「衣料、書籍、ファストフードレストランと連携し、日本と同じような巨大商品に育てたい」としている。
(ニューヨーク=米州総局)



ポケモンジェット国際線“参入” 1999/2/21 読売新聞 朝刊

 全日本空輸は、人気アニメキャラクターのポケットモンスター(ポケモン)を機体にデザインした「ポケモンジェット」を1機増やし、24日から東京―ニューヨーク線で運航を始める。「ポケモンジェット」の国際線への投入ははじめて。
 全日空は、昨年7月から国内で「ポケモンジェット」を運航しており、現在3機が飛んでいる。子供連れの客に好評で今年1月までに約100万人の乗客を運んだという。ポケモンは、昨年9月からアメリカでもテレビ放映が始まり、子供たちの間で人気が高まっているため、北米路線への投入を決めた。
 国際版「ポケモンジェット」の機体には、国内版と同様にピカチュウ、トゲピー、ミュウなどの人気ポケモンが描かれるほか、英語と中国語でも「ポケモン」と表記する。機内も、国内線と同じく、座席カバーや紙コップなどのデザインがポケモン一色となる。



国際線もゲットだぜ
全日空 ポケモン飛行機就航
1999/2/24 日本経済新聞 朝刊

 ポケモン、世界の空へ――。子供に大人気のキャラクター、ポケットモンスターを機体に描いた全日空のジャンボ機「ポケモンジェツト」(B747-400型)が国際線に進出し、24日午前、第一便が米ニューヨークのJ・F・ケネディ空港に向けて成田空港から飛ぴ立った。
 全日空はこれまで国内線でポケモンジェット3機を飛ぱしていた。テレビ番組のポケットモンスターが米国や香港、台湾でも放映され好評であることから、国際線にも採用することにした。今後、成田―ロサンゼルス線などに順次投入するという。
 この日は地元芝山町の保育園児約5,000人が招待され、空港内を走るランプバスの窓越しに大好きなポケモンが描かれた機体を見学。子供たちは、ピカチュウなどのキャラクターを見つけては歓声を上げていた。



話の港 ポケモンジェット 1999/2/24 読売新聞 朝刊

 ▽▽…人気アニメのポケットモンスター(ポケモン)のキャラクターを機体にデザインした全日空の特別塗装機「ポケモンジェット」が、24日から国際線にも就航した=写真=。
 ▽▽…機体にはピカチュウなどの人気ポケモンが描かれているほか、機内の座席カバーや紙コップもポケモン一色。国内線には昨年7月から就航し ているが、米国でもテレビ放送が始まるなどポケモン人気が高まり、国際線への参入となった。
 ▽▽…同日午前、成田空港で行われたニューヨーク便の就航式典では、乗客代表の子供にピカチュウのぬいぐるみが手渡されたほか、約150人の乗客に記念品が配られた。



ポケモン新作ソフト
9月初旬に発売延期
1999/6/8 日本経済新聞 朝刊

 任天堂は6月中にも発売予定だった人気ソフト「ポケットモンスター」シリーズの新作2タイトルの発売を延期する。予想以上に制作、バグ(誤り)の除去に手間取っているためで、発売は夏休みが終わった9月初旬以降にずれ込む見通し。約1年ぶりの新作だが、需要が見込める夏休み に間に合わず、売り上げに影響が出る可能性もある。
 延期するのは携帯用ゲーム機「ゲームボーイ」向け「ポケットモンスター金」「同銀」2作。



アニメ「ポケモン」 韓国でも放映
米に続き14日から
1999/7/8 日本経済新聞 朝刊

 【ソウル7日=伊集院敦】韓国の民放SBSは7日、テレビ東京系列の日本の人気アニメ番組「ポケットモンスター」(ポケモン)の放映を14日から始めると発表した。毎週水曜日と木曜日の午後6時15分から30分間放送する。
 ポケモンは昨年に米国で放映が始まり、爆発的にヒット。韓国でも6月に子供向けの雑誌でデビューし、テレビ放映開始前からTシャツや人形などのキャラクターグッズの海賊版が出回るほどの人気を集めている。
 SBSは「夢と勇気を与える作品として放映することにした。番組占有率(同一時間帯におけるチャンネル選択率)30%は堅い」と見ている。



偽物だめチュウ! ポケモングッズ
米国任天堂が追放作戦
1999/7/9 読売新聞 朝刊

 【ニューヨーク7日=三浦潤一】任天堂のアメリカ現地法人・米国任天堂は7日、人気アニメ「ポケットモンスター」のキャラクターグッズの偽物がアメリカやカナダで大量に出回っていることから、撃退するための大々的なキャンペーンを始めると発表した。
 ポケモンはアメリカでも昨年9月から放送が始まったが、子供たちに人気が高く、ピカチュウなどのキャラクターグッズも売れ行きが好調となっている。
 しかし、今年春ごろから偽物が大量に出回るようになり、先週にはニュージャージー州の税関が総額25万ドル相当のポケモンの人形やキーホルダー、時計などを押収し、処分した。  米国任天堂は、輸入業者などに偽物を扱わないよう徹底するとともに、税関などに偽物の見分け方などを教え、摘発を促す方針だ。



「ポケモン」米でも人気爆発
映画、初日10億円 邦画興行記録、1日で更新
1999/11/13 日本経済新聞 夕刊

 【ロサンゼルス12日=森摂】米国で10日封切られた日本のアニメ映画「ポケモン・ミュウツーの逆襲」が初日だけで1,010万ドル(約10億円)を売り上げ、邦画による米興行収入の記録をわずか1日で塗り替えた。順調に行けば米映画興行史上有数の業績を上げるとの見方が関係者の間で強まっている。ポケモンは昨秋のテレビ放映開始でブームに火が付き、学校でカード持ち込みが禁止されるなど、多くの米メディアが社会現象として取り上げている。
 配給元のワーナー・ブラザーズによると、通常のメジャー映画の上映館数は1,500前後だが、ポケモンは初日から2,900館、12日からは3,043館と異例の大型興行となった。米国では11日は退役軍人の日で学校が休み。「日曜までの5日間だけで興行収入は5,000万ドルを超える」(同社)と期待している。
 初日売上高は、アニメ放映の米興行記録を持つ「ライオン・キング」の640万ドルを大幅に上回った。全米映画の平日売上高としても「スター・ウォーズ/エピソード1」などに次ぐ4位。「米国の子供の56%がポケモンを見に行く」との調査結果も出た。ポケモンが最終的にアニメ映画の米興行記録を持つ「ライオン・キング」にどこまで迫るか、注目の的になっている。
 ポケモンは昨年9月、全米でテレビ放映が開始された。その後、カードゲームや関連グッズが日本と同様のブームになった。ポケモン人気の拡大については「まず映画を公開、その後で関連商品を売る米国的な手法と違って、テレビや関連グッズで先にブームを盛り上げたのが成功した」(娯楽産業に詳しいミドリ・モール弁護士)などの指摘がある。
 米メディアはポケモンブームが全米で巻き起こした騒動を相次ぎ報道している。最近ポケモンのキャラクターグッズを景品にした「バーガーキング」には家族連れが殺到。ニューヨークやロスなどでは品切れ騒ぎが起きている。



「ポケモン」全米1位
映画興行収入 5日間で54億円
1999/11/15 日本経済新聞 夕刊

 【ニューヨーク14日=共同】米国で10日に封切られた日本アニメ「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」が14日までに約5,210万ドル(約54億7,000万円)の売り上げを記録、週間興行収入ランキングの1位になったことが、米調査会社エグジビター・リレーションズの集計で分かった。同社は、邦画がハリウッドの大作を押しのけて全米ナンバーワンになったのは初めてとみられるとしている。
 アニメ映画の滑り出しとしては、最終的に3億ドル以上を稼いだ過去最大のヒット作「ライオン・キング」(1994年)に迫る勢い。今年の映画全体でも「スター・ウォーズ エピソード1」などに次ぐ好成績を収めそうだ。映画は、98年に日本で劇場公開された作品の英語版で、米でのタイトルは「ポケモン ザ・ファーストムービー」。



「ポケモン」米で人気爆発 ディズニーを脅かす
日本アニメ、子供市場左右
1999/11/16 日本経済新聞 朝刊

 米国で10日封切られた日本アニメ「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」は14日までに約5,210万ドル(約54億円)の興行収入を記録、米国で最も売れた日本映画となった。ポケモン人気は世界の子供市場を制してきた米娯楽大手ウォルト・ディズニーを脅かす勢いだ。米放送業界では、日本のアニメが子供向けのチャンネルの視聴率を左右し始めており、日本発のコンテンツ(情報の内容)の強みが目立ってきた。
 米ウォルト・ディズニーは同社が長年採用してきたホームビデオの販売手法「モラトリアム」方式を基本的に見直す。モラトリアムは一度市場に投入したビデオの販売を一定期間後に中断、およそ7年後に再び発売する仕組み。消費者に「いま買わないと買い損なう」と飢餓感をあおる狙いだが、強力な子供向け映画コンテンツを大量に擁する同社ならではの手法だった。
 ディズニーは99年度(99年9月期)決算で2年連続の大幅減益。部門別で85%減益と最も足を引っ張ったのが映画やホームビデオなどの「スタジオ・エンタテインメント」。今、米の子供たちの間で人気があるTシャツは「ピカチュウ」で、「ミッキーマウス」や「ライオン・キング」ではない。ディズニー関係者は否定するが、「ポケモンなど新しいキャラクターに押されたことは否めない」(米娯楽産業に詳しいミドリ・モール弁護士)。
 「ポケモン」を見るために平日、学校を休んで映画館に行く子供たちが続出。「ポケモン・フルー(ポケモン流感)」という言葉がはやり出した。米映画史上約200本しかない、興行成績1億ドルを突破するのは間違いない。米国で最も売れたアニメ映画「ライオン・キング」(94年)の興行記録(3億1,200万ドル)を破るとの観測も出始めた。
 興行元のワーナー・ブラザーズは米ポケモン映画第2弾の公開時期を来夏に繰り上げる。テレビでも1週間で11エピソードと大量放映が始まった。来春放映開始の「ガンダム」など日本初のコンテンツが米の子供向けチャンネルで目立って増えてきた。
 国内でもがん具メーカーをはじめ食品、アパレルといった多業種が「ポケモン」をキャラクターとした商品を開発し、関連ビジネスに乗り出している。ポケモンの版権管理窓口となっている小学館プロダクションによると、国内では既に60社程度が関連商品を開発・販売している。
 最近では明治乳業が缶入りの飲料で、永谷園が即席スープでそれぞれポケモンキャラクター商品を投入した。映画「ポケモン3」の計画も進行中だ。正確な統計はないが、業界では「ポケモン関連ビジネスの市場規模は5,000億―6,000億円程度になるのでは」とみられている。
(ロサンゼルス=森摂)



ジャパンウォッチ
「ポケモン」人気
“節度”持って楽しもう/日本の美徳も
1999/11/16 読売新聞 朝刊

 日本製アニメ「ポケモン」が、海外で大人気だ。10日には、米国で映画が一斉公開され、関連グッズの売り上げも、全米で1,000億円に達する勢いだという。「ポケモン現象」を各国メディアが取り上げている。
 シンガポール紙ストレート・タイムズ(2日付)は「ポケマニアをばかにしないで」とする特集を掲載した。ポケマニアとは、それぞれ強弱が付けられた150種のキャラクター・カードの対戦・交換ゲームに熱中する子供らのこと。米国では「勉強がおろそかになる」などの理由で、カードの持ち込みを禁じる小学校も出ているが、同紙は、「ゲームを楽しむのは週末。平日は放課後30分ほどだけ」とする子供の話を紹介、節度≠る楽しみ方を奨励している。
 米紙ボストン・グローブ(4日付)は「男女の別なく、一緒に遊ぶ機会を与えてくれる。お互い自分自身の力で戦い、それを通して大きく強く進化していく点に、ポケモンの存在理由がある」と、評価できる点を挙げた。
 しかし、同時に「カードを購入した子供が、袋の中に強いカードが入っていることを祈り、さすってキスをしていた。ギャンブラーみたいで怖い」とする教育専門家の意見も載せ、「カード交換にはギャンブル性が潜む」と懸念する。
 こうした教育論議に加え、流行の背後に日本文化の浸透を挙げる論調も出ている。米紙ニューヨーク・タイムズ(7日付)は「ポケモンには、高級車や即席メンでは示しえない日本人の『優しさ』や『ユーモア』がある。責任感や協調性、従順さ、年長者への敬意、謙譲の美徳といった日本の伝統的価値観にあふれている」と分析、ポケモン好きの子供は「(米国にはない)日本的価値観の良さを無意識に求めているのだ」と指摘している。
(ヤ)



トピック最前線
ポケモン映画、米をゲット
最強興行収入 5日間で54億円
1999/11/17 読売新聞 夕刊

 “日本発”のアニメ「ポケットモンスター」が全米の子供たちの間で、爆発的な人気を呼んでいる。今月10日に封切られた映画「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」は初日だけで1,010万ドル(約10億円)と、邦画による米国での興行収入記録を一気に塗り替え、公開後最初の週末を経て、興行ランキングは全米ナンバーワンとなっている。ゲームソフトやキャラクター商品の売り上げも「米史上最大規模」という勢い。人気は加熱する一方だ。
(ニューヨーク支局 松浦 一樹)

 「ミュウツーの逆襲」は、全米の初日の売り上げで、97年公開の邦画「Shall we ダンス?」(110万ドル)を上回った。ディズニー映画の「ライオン・キング」(94年)が打ち立てたアニメの興行記録も塗り替え、公開5日間で5,200万ドルの収入を上げた。
 現在、全米3,000以上の映画館で上映中だが、「家族を大事にする日本の優れた価値観を、そうした価値観を見失っている米国に伝える」(米ニューヨーク・タイムズ紙)と、受け止め方もおおむね好意的だ。
 ポケモンのテレビシリーズは、昨年9月に放映が開始されて子供たちの間でブームとなり、ピカチュウ人形やポケモンカードなどの関連商品が飛ぶように売れ、これまでの総売り上げは推定10億ドルとされている。
 日本の人気商品が米国でブームとなった例としてはたまごっちがあるが、映画、ゲームソフト、キャラクター商品と、多岐にわたるヒットは初めて。
 クリスマスが近いこともあり、ブームは当分続きそうだ。その反面、子供たちがポケモンに熱中するあまり勉強しなくなるのでは、と影響を心配する親たちや教育現場の声もあり、ポケモン・グッズのの持ち込みを禁止する学校も増えてきた。
 米CNNなどでは、親子が参加する討論番組を急きょ放映するなどして「ポケモン現象」の分析を試みているが、納得がいくような説明は、なかなか見当たらないようだ。人気商品に群がる子供たちを前に、困惑気味の大人たちの姿が、アメリカにも伝播した格好だ。



文化
米上陸のポケモン 子どもの心つかむ
1999/12/8 読売新聞 夕刊

ゲーム、アニメ、カード……映画もヒット 確かなメディア戦略
●戦うシーンあるが死なない ●責任感を強調 社会も肯定的な評価

 アメリカでは感謝祭が終わると、クリスマスに向けギフト商戦が本格化する。今一番ホットな子ども用ギフトは、日本から上陸したポケモンだ。発売以来400万本以上を売り上げた任天堂のビデオゲーム、週6日11回テレビ放映されるアニメ、月1回刊行されるマンガ、今年に入り大ブームとなったゲームカードによって、150種以上ものポケモンは、たちまち子どもたちのアイドルになった。
 おもちゃ専門店では、入り口付近やレジ横の一番目立つスペースにポケモンコーナーが設けられ、Tシャツ、ノート、ピカチュウのバスタオル等、思いつく限りのキャラクター商品が並んでいる。
 そして先月10日に封切られたのが、待望のアニメ映画「ポケモン ザ・ファースト・ムービー(原題『ミューツーの逆襲』)」だ。この映画が公開初日1,000万ドル以上を売り上げ、週間興行収入ランキングの全米トップに躍り出たことは、米国メディアも大きく取り上げた。
 映画の質に対する評価はいま一つだが、ポケモン現象はニューヨーク・タイムズの第1面を飾り、タイム誌のカバーストーリーにもなった。今や、3歳から13歳の子どもとその親にとって、ポケモンやピカチュウは日常語になっている。
 テレビアニメとビデオゲームは、昨年9月の米国デビュー以来、短期間のうちに全米の子どもをとりこにした。アニメの主人公の名はサトシからアッシュになり、ポケモンたちの名前はピカチュウ以外ほとんど変えられたが、その姿かたちや属性から連想しやすい「英語ふう」のネーミングになっている。
 番組英語版制作にかかる手間と時間は膨大なもので、1話に3、4ヶ月費やされるという。ギャグや一部キャラクターの性格は日本版とは違う部分も多いが、それでも雛祭りや握り飯など、日本独特の文化が随所に見られる。子ども向け番組の暴力シーンには特に敏感な米国でも、このアニメは合格点のようだ。戦いのシーンは毎回あるものの、誰も死なないし、責任感、協調性、従順さなどの日本的価値観が強調されている、と概ね肯定的な評価だ。
*     *
さらにファンの底辺を広げたのは、ポケモンカードの爆発的人気だ。テレビやビデオゲームは駄目だが、カードは容認していると言う親も多い。自分の殻に閉じこもりがちなビデオゲームと違い、カード遊びは対人関係抜きには成立しない。実際にカードをゲームに使う子もいるが、ベースボールカードのように、交換収集するという魅力が人気の秘密のようだ。子供たちはカードを全種類「ゲット」するため、夢中になって取引する。ルールは複雑で、ゲームをするにも取引をするにもかなりの読解・計算・分析能力が要求される。
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 わずか1年の間にこれだけ集中的に、さまざまなメディアを通してポケモンに親しんできた子供たちが、映画を心待ちにしていたのも無理はない。先月25日の午後、ボストン郊外にあるショッピングモール内の映画館に足を運んだ。感謝祭の連休のため、この週末は例年映画館にとってかき入れ時だ。当日は連休の前日封切られたディズニーの「トイストーリー2」も上映中で、会場を待つ人々でごった返していた。
 ポケモン映画の方は、封切り1週目に報道されたような混雑ぶりはもう見られないが、150席ほどの上映スペースはほぼ埋まった。観客には5、6歳前後の子どもが多い。数人の子どもが大人1人に付き添われる姿が目立つ。
 映画が始まると、「ピカチュウ!」などと、大画面に登場するポケモンたちの名前が場内あちこちから聞こえてくる。上映中ひっきりなしに話し声がするのは、ポケモン・ワールドの権威である子供たちが、ポケモンの名前や属性を大人に解説しているからだ。
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 いったい、このポケモン現象はいつまで続くのだろうか。映画に関して言えば、「トイストーリー2」の人気は予想通りで、感謝祭の連休で一気にポケモンの興行収入を追い越した。高度なコンピュータ・アニメーションは、大ヒットした前作にも増して完成度が高く、子供も大人も楽しめると評判だ。
 一方、ポケモン映画成功の主要因はメディア・ミックス展開にある。日本で30年前に始まり、後にビデオゲームも加わって複雑化したマーケティング戦略――雑誌の人気連載マンガからテレビアニメへ、さらに劇場アニメ、キャラクター商品へと展開する循環回路――は、米国では確立していない。そのため、ポケモンのヒットは、テレビアニメの映画化は成功しないというアメリカでの常識を覆すものとなった。
 今後も、日本ですでに発売になっている携帯用ゲームの金、銀バージョンの米国発売が待たれており、来秋公開予定の映画第2弾に併せて、新たに100種のポケモンが上陸するという。西暦2000年に入ってからも、アメリカのポケモン人気は簡単には衰えそうもない。


岡本玲
 米ノースイースタン大助教授・メディア学
 1961年埼玉県生まれ。ボストン在住。



米タイム誌が選定
アジア版99年ベスト
1999/12/13 読売新聞 夕刊

人物部門はピカチュウ!
●「最悪スキャンダル」も日本……東海村臨界事故

 【ニューヨーク12日=松浦一樹】13日発売の米タイム誌最新号(アジア版、12月20日号)は、アジア地域を中心に、今年、世界を最もにぎわせた人物や出来事を選ぶ「1999年のベストとワースト」を発表した。
 ベスト人物部門では、プエルトリコ出身の米人気歌手リッキー・マーティンと並び、日本のアニメ「ポケットモンスター(ポケモン)」の人気キャラクター「ピカチュウ」が選ばれた。
 ピカチュウの選出理由は、「『ハローキティー』以来、最も愛くるしいアニメキャラクターで、世界の子供たちを笑顔いっぱいのポケモンマニアに変えた」こと。
 一方、「最悪のスキャンダル」部門では、今年9月の「東海村臨界事故と日本政府の対応」が、インドネシアのバリ銀行から前政権与党ゴルカルへの巨額資金不正流出事件などとともに選ばれた。
 また、ビジネス関連では、フランスの自動車大手ルノーと日産自動車の資本提携が「企業再建のベスト」に選ばれた。同誌は、「日産は、何年も前に実行すべきだったコスト削減を進めざるを得なくなった」と辛口の評価を示している。



ポケモン 「ユンゲラー」は私だ!
ユリ・ゲラーさん 「キャラクターに無断使用」と任天堂を提訴へ
1999/12/30 読売新聞 朝刊

 【ロンドン29日=芝田裕一】29日付の英紙ガーディアンは、"超能力"によるスプーン曲げで一世を風靡(ふうび)したイスラエル人のユリ・ゲラーさん(53)が、自分のイメージを人気ソフト「ポケットモンスター(ポケモン)」のキャラクターに無断で使用されたとして、任天堂(本社・京都市)を相手どり6,000万ポンド(約101億円)の損害賠償を求める訴訟を起こすと報じた。
 問題のキャラクターの名前は「ユンゲラー」で、超能カを武器とする「念力ポケモン」の一種。カードやガイドブックなどのポケモン関連商品では、先の曲がったスプーンを持っている姿で描かれることが多い。
 東京で発見したというゲラーさんは、同紙に対し「私のイメージが悪役のポケモンに転用され、頭にきている。任天堂からイメージ使用の申請を受けた覚えはない」と話している。
 英国でユンゲラーのカードは、10ポンド(約1,650円)前後で売られているという。




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